「人生を一変させる深い味わい・・・。極上コンディション、クラシックロールスの境地に陶酔する。」
英国ビクトリアン後期より英国自動車の歴史を作ったチャールズ・スチュアート・ロールズと技術者フレデリック・ヘンリー・ロイスにより創造され、乗用車製造においては言うまでもなく高級車の代名詞となったロールス・ロイス社。その高級なイメージと共にかけ離れた技術水準の高さから「壊れない」神話が多数存在するのも一つのロールスロイスのアイデンティティです。
ある紳士がヨーロッパ旅行の最中スイスの山道でクランクシャフトのスプラインを舐めてしまった話、紳士がロールスロイス社に電話して必要部品を送ってもらうよう要請すると、僅か数時間後ヘリコプターでエンジニアが数人到着、その場で修理しあっという間に飛び去ります。帰国後、紳士は修理代の請求が来ないことをロールスロイス社に電話すると「当社の記録にはそのような事実はございません」と言われます、「しかし現に私はスイスで、クランクシャフトを破損し、空輸してもらったんだ」と食い下がると「お客様、ロールス・ロイスのクランクシャフトは壊れません」と言われたエピソードは正にロールスロイス社の生み出す素晴らしい車両を物語っています。
“Rolls-Royce Silver Cloud III”
ロールスロイス社が最後に世に送り出したボディ・シャーシ共自社生産の最終モデル
シルバークラウドは1955年から1965に製造され、時代を追うごとにIからIIIへと進化します。本日大変幸運にもここでご紹介できるシルバークラウドIIIは1962年から生産された最終型。それまでのシングルヘッドライトからデュアルヘッドライトに変更され、かのパルテノン宮殿がモチーフのラジエーターグリルも1.5インチ下げられ、より精悍なデザインに変更されます。
シルバークラウドIIIは、その優雅で気品あふれるボディスタイルは勿論の事、半世紀経過した今日現在触れても感動すら覚える程、高水準技術テクノロジーを凝縮したモデルです。神話化する程頑丈な機関と整備性の高さ、後ほどたっぷり(!)記述する素晴らしいドライバビリティ、そして品位あふれる優雅なボディデザインと、うっとりするほど質感の高いビクトリアンなインテリア空間のミラクルなレベルの融合は、後部座席に乗車される方のみならず幸運にもステアリングを握るドライバーに至福の時間を与える最後の・・・そして安心して今日でもハイレベルなドライブが可能な貴重クラシックロールスロイスなのです。
「至福の空間、アンティークのごとく美しく素晴らしい手作りの工芸品・・・。」
絵画芸術など美しい物を大切にされる、感性豊かなオーナー様の元に伺うと、実に気さくに
「堀川さんに原稿書いてもらうのだからじっくり乗ってみて!」
とこの大変貴重なシルバークラウドIIIを数時間私に託してくださったのです!
長きにわたる輸入経験から英国ビクトリアン期のアンティークなど、筆者は最も得意とする部門ですが、このオーナ様のシルバークラウドIIIには、アールデコから大戦終了、ミッドセンチュリーと英国文化が揺れ動く間で近代工業製品へとものづくりが変化する、その最も高いレベルでの顧客満足の追求が作り込みの至る所で見受けられます。
外観からインテリア空間へ・・・一歩踏み入れればそこは「至福の極上空間」、適度な硬さと質感から皮の厚みそのものを感じる事が出来、上品なステッチワークが見事なコノリー社製レザーシートはイタリアンハイエンドソファを超えた味わい、天井のルームランプの形状から各スイッチ類の形状どれ一つ観ても「心が潤う」のです!このインテリア空間は空気が違う!呼吸を通じて体内に取り込まれたシルバークラウドIIIの空気が血液中酸素となって体内へ、そして右脳をぐるん~ぐるんと刺激するのです。この陶酔感は単なる現代的ハイスペックの車両では決して味わうことの無い、古典的職人によるハンドメイド品、ラリックやガレなどの素晴らしいガラス工芸美術品を観たのと同じ感覚なのです!
「ロールスロイス~ステアリングを握ってみると・・・」
目の前のパルテノン宮殿上にある、Nikeをモチーフに彫刻家チャールズ・ロビンソン・サイクスが製作した“The Spirit of Ecstasy”通称「フライングレディ」マスコットが道先案内人のごとく威風堂々優雅に進む様は車好きならば誰もが「至福」と感じる事でしょう!
走行動画をぜひご覧ください!ほとんど修正舵を入れる事なくまっすぐにこのシルバークラウドIIIは感動的に走ります!道ゆく人のほとんどを振り返えさせながら・・・。
「取材後書」
こんなに素晴らしいロールスロイスなぜ手放されるのでしょう?
オーナー様は笑いながら「生前整理だよ」とおっしゃいます。特に今日「生前整理=片付け」と思われがちですが実は違います。本来の意味合いは「前向きな人生集大成の為の心の整理」なのです。思い出はしっかり胸にそして存分に仕上がった素晴らしいお車は次の大切にされる方へそのような想いで出品されます。実に幸せな環境で大切にされたシルバークラウドIII、この様にしっかりと伝える事ができるのがこの原稿の一番のメリットと思います。
すでに半世紀・・・、これだけの個体は出てこない事でしょう。これから最高の状態で所有する事を楽しまれ、時折ドライブしてはその超越した空気を存分に体内に取り込む事ができるのが新オーナー様の特権です。
これに乗られるお方の感性が、そして魂が歓喜の声を上げる!
日常がこの上なく素晴らしく
人生が豊かに日々ドラマチックに変化する事でしょう。
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この素晴らしい車両は現在、群馬県にあります。
個人のため諸費用等はかかりませんが、自動車税(月割り)とリサイクル料のご負担をお願いいたします。
また陸送等は購入者様の方で手配をお願いいたします。